大学費用を「祖父母からの贈与」でまかなう——教育資金贈与の非課税制度の使い方
祖父母から孫への教育資金の贈与には、一定額まで非課税になる特例制度があります。制度の仕組みと利用条件、注意点をわかりやすく解説します。
祖父母からの教育資金援助、贈与税はかかるのか
大学費用の負担を軽くするために、祖父母から援助を受けるケースは珍しくありません。通常、個人から個人への贈与には贈与税がかかりますが、教育資金の贈与には「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」という特例制度があり、条件を満たせば大きな金額を非課税で受け取ることができます。
制度の基本的な仕組み
- 非課税枠:受贈者(孫等)1人につき最大1,500万円まで(学校等以外への支払いは500万円が上限)
- 対象となる支払い:入学金・授業料などの学校教育費のほか、学習塾・習い事の費用(500万円の枠内)も対象になる
- 手続き方法:金融機関で専用の教育資金贈与信託口座を開設し、資金をまとめて拠出する
- 利用期限:受贈者が30歳に達するまでに使い切る必要がある(学校等に在学中などの場合は40歳まで延長可能)
「都度贈与」なら、そもそも非課税枠を使わなくてもよい
実は、大学の授業料などを祖父母がその都度、必要な時に必要な金額だけ支払う「都度贈与」であれば、そもそも贈与税の課税対象になりません。教育費・生活費として社会通念上相当な範囲であれば、扶養義務者間の贈与として非課税だからです。まとまった金額を一括で先渡ししたい場合にのみ、上記の特例制度が意味を持ちます。
特例制度を使う際の注意点
- 使い切れなかった残額には贈与税がかかる:受贈者が30歳(または40歳)に達した時点で口座に残額があると、その時点で贈与税が課税される
- 領収書の提出が必要:口座から資金を引き出す際、学校等への支払いであることを証明する領収書の提出が求められる
- 祖父母に相続が発生した場合の扱い:制度改正により、贈与者(祖父母)が死亡した時点での残額は、受贈者が23歳未満・在学中等でない限り相続財産に加算される場合がある
都度贈与と一括贈与、どちらを選ぶべきか
- 都度贈与が向いているケース:祖父母が元気で、今後も都度その都度払える見込みがある場合。手続きも不要でシンプル
- 一括贈与の特例が向いているケース:祖父母の健康状態に不安がある、まとまった資金を早めに孫に渡しておきたい、相続財産を計画的に減らしておきたい場合
まとめ
祖父母から大学費用の援助を受ける方法には、都度必要な分だけ渡す「都度贈与」と、まとめて渡す「教育資金の一括贈与の特例」の2つがあります。多くの家庭では都度贈与で十分非課税の対応が可能ですが、まとまった金額を計画的に渡したい場合は、特例制度の条件と期限を確認したうえで活用を検討しましょう。
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